金銭的インセンティブの問題点

2011.12.16

金銭的インセンティブにも、問題がないわけではない。特に「ムチ」と組み合わせられることにより、次のような問題点が出てくる。一つは、こういうインセンティブのシステムは、勤務を続けることを金銭的利益の条件としているので、社員の退職の自由を実際上制限しているのではないか。もう一つは、会社は、給与を不当に没収していることになるのではないか、である。順にみていこう。ボーナスについて、支給日在籍要件というものが課されることがある。

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たとえば、夏季の賞与が6月20日に支払われるとして、その日に在籍していなければ、ボーナスは支払われないというものである。5月末日に退職した社員は、夏季ボーナスの算定期間(たとえば、前年の1月1日からその年の3月末日)に在籍してきちんと働いていたとしても、6月20日に在籍していなかった以上、一銭もボーナスは支払われないことになる。ボーナスには、将来の労働への意欲向上手段としての意味があるからである。支給目在籍要件は、社員の辞職の自由を直接に制限しているわけではない。ボーナスを放棄さえすれば、いつでも辞職することができる。しかし、ボーナスが欲しければ、6月20日まで働かざるをえない。そうなると、退職の自由に対する制約となっているといえなくもない。退職金についても、同様のことがある。多くの会社は、勤続3年未満の社員が退職したときには退職金を支払わない。





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